スプーンとバターナイフを作ってみた

★庭のオリーブの木


我が家の狭い庭には、オリーブの木が植えてあります。

家を建てた後に、ホームセンターで庭木を見ていたらオリーブの木の雰囲気が気に入ったので、苗木を植えたらかなりのスピードで大きくなりました。


オリーブをメインに撮った写真ではないなので、写りはよくないですが、この木がオリーブです。

植えたときは小さな苗木だったのに、みるみる間に大きくなりました。今では、もっと大きくなっています。

別の種類のオリーブを2本購入したのですが、もう片方は、途中で植え替えをしたこともあって、まだ小さいままです。

木が大きくなるためには、根がしっかり張る必要があるのだと実感しました。

このオリーブの木は、毎年かなり成長します。しかも葉っぱや枝の量も多いので、剪定が必要です。

植木屋さんなどに頼むと、けっこうなお金がかかるようなので、毎年2月~3月ごろに自分で剪定を行っています。

素人の剪定なので適当ですが、とにかく枝の量を減らすために、混みあっている枝は片方を根本から切ります。

あと、剪定できる高さに納まっていてほしいので、上の方に伸びている枝も、届かなくなる前に切ります。

太くなりすぎると管理が難しくなるので、大きくなりすぎた幹も、ある程度の本数を残して切っています。

毎年が強剪定なので、剪定枝はたくさん出てきます。1cm未満の細いものは使い道がないので、家の裏で自然に返るのを待っておきます。

太いものは、乾燥させれば、ピザ窯用の薪として使えるので、適当な長さにカットして、薪棚で乾燥させてあります。



★オリーブの枝で何か作りたい


今回、DIYで使おうと思ったのは、中途半端な枝です。

自然に返すには時間がかかりそうだけど、薪としては細すぎる枝を何かに使えないかとストックしてありました。

乾燥途上ではあるのですが、工作に使うならいいかなと思ったので、妻に何か作りたいものはないか聞いてみました。

返ってきた答えが予想外でした。スプーンやバターナイフなどの食器を作ってはどうかと言うのです。

調べてみたところ、オリーブの木は、お皿やまないた(カッティングボード)などにもよく使われているようで、食器には向いている木のようです。





木目に特徴があるので、工場で作られる大量生産品とは違う魅力があります。

でもお皿やカッティングボードを作るほどに太くしようと思ったら、何年もかかってしまうので、今回はスプーンやバターナイフに挑戦してみようと思います。



★スプーンとバターナイフを作ってみよう


使えそうなサイズの枝を探してみました。するとスプーンを作れるような枝がないのです。

スプーンの救う部分は、思った以上に太さが必要で、その太さをクリアできるような枝は、薪棚に行ってしまっていて、ここにはありません。


仕方がないので、バターナイフはオリーブの剪定枝で作るとして、スプーンはSPFの端材で作ることにします。


まずは、どんな形になるのか、実際に木にかいてみました。身近なスプーンを参考に、なぞっただけですが。


大まかな形を取るまでは、のこぎりなどを使って切っていきます。

仕上げでは削る予定ですが、どうでもいい部分まで削ると時間もかかるし、途中で飽きてしまうと思ったので、まずは不要な部分だけカットしました。


カットしました。小学生の工作のようです・・・。

こんなスプーンだったら使いたくないと私も思います。

でも、これで完成ではないので、整形しながら、削っていきたいと思います。


削り作業には、ルーターを使いました。

トリマーと同じような構造で、モーターが小さいためか、パワーはトリマーほどありませんが、その分安全に細かい作業ができます。

歯医者さんになって、歯を削っているような気分になります。




細か削って形を整えるのにいい道具だと思います。

彫刻刀で削るより、時間はかかりますが、きれいに仕上がります。


スプーンの先端部分を削るのに時間がかかりそうだったので、ここは彫刻刀を使いました。

彫刻刀の彫り跡は、でこぼこになってしまうのですが、それを後からルーターで整えたいと思います。


だんだん形が整ってきました。

いびつな所もあるし、手にとげがささりそうですが、スプーンとして使えないことはなさそうです。


もう少し集中して、リューターで削り続けました。前以上にスプーンらしさが出てきました。

スプーンの形が良い感じに整ってきました。



★硬い木でバターナイフは作れるのか


仕上げは最後にするとして、この辺りでバターナイフの作業も進めていきたいと思います。

バターナイフ作りで心配なのは、木の硬さです。

木は種類によって硬さが違います。

ウッドデッキなどを作るときにハードウッドといわれる樹種は、「硬い木」ということになると思います。

木の名前でいうと、「ウリン」や「サイプレス」などになるでしょうか。




木の色や、肌触りなどは、それぞれの木によって違いがありますが、ハードウッドと呼ばれる木は、実が詰まっていて硬く重いです。

ものによっては水に沈むほどの質量があるようです。

それほど硬くて実が詰まっているから、水が染み込みにくく、水が染み込みにくいから腐りにくいので、外で雨ざらしになるところで使うには、適切な木材だと思います。

我が家でも、ウッドデッキを作るときには、ハードウッドを採用しました。

ウリンやサイプレスなどの高級品は、予算的に使えなかったので、名前の通っていない安い木材を探しましたが・・・。

ソフトウッドといわれるSPFなどで、ウッドデッキを作っても、水を含んだところから腐朽してしまい、長持ちしないことが多いようなので、値段は高くても、ハードウッドで作っておいた方が、結局は安く済むことが多いようです。

木の話が長くなってしまいましたが、バターナイフに話を戻します。バターナイフはオリーブの木でつくる予定です。

このシリーズの初めの方でも紹介したのですが、オリーブの木は、食器や調理器具にも使われる樹種です。そういう所で使われるということは、水に当たっても腐りにくいということです。

面白い模様をしていると思うのですが、こんな模様になるということは、木の中でも場所によって、硬さなどが違うということじゃないかと思います。

そして、水場で使わているということは、木が硬いということになるのではないのでしょうか。

そう考えると、SPFでスプーンを作ったようには、簡単には仕上がらない気がします・・・。

ブツブツ言っていてもはじまらないので、バターナイフ作りを始めていきます。

まずは、枝選びからです。枝選びにも、苦労しました。

そもそも、バターナイフを作るためにオリーブを育てているわけもないので、オリーブの枝は、葉をできるだけ太陽に当
てるために上へ上へと向かっていきます。

そんな枝の中でも、不要な枝が剪定枝なわけで、不要ということは、形が貧弱だったり、曲がっていたりすることがおおいのです。

その中からできるだけまっすぐで、ある程度の太さのあるものを選ぶのに苦戦しました。


苦労の末、この枝を選びました。根本は、大きな枝から切り出したので、その根元部分だけ太くなっています。

パッと見、スプーンに使えそうに見えますが、枝の奥の方だけが太いので、スプーンは無理です。

この枝が、手持ちの剪定枝の中では一番まっすぐに素直に生えてくれていたので、この枝を使うことに決めました。

SPFでは、ルーターを使って作業を進めていたのですが、ルーターは小さくて細かな作業がしやすい反面、パワーが足りないように思います。
細かな作業がしやすいので、本当に便利な道具なのですが、大きく削るには、時間がかかります。

しかも、前回の投稿で紹介したとおり、今回使うのはオリーブの木なので、硬くて余計に時間がかかるかもしれません・・・。

そこで今回は、トリマーを使うことにしました。




トリマーはルーターと似ている道具ですが、大きくて反動も大きいので、削りたい板の上に置いて使います。

太さ的にも回転数的にも、手に持つ道具ではありません。なので、今回の使い方は、自己責任の上でおこなっております。


トリマーの固定のためのカバーを外すとこのようになります。

この状態のトリマーを手で持って、枝を削っていきました。

慎重に、慎重に、ゆっくりゆっくり進めていったので、ケガはしませんでしたが、心臓の縮む思いでした・・・。


全然バターナイフらしくなっていないのですが、元の枝の状態から考えると、かなりの進歩です。

やはりオリーブの枝は硬く、ルーターだったら、モーターが焼き切れてしまっていたかもしれません・・・。

でも、とりあえず大まかな整形ができたので、後はリューターと手作業で進めていきたいと思います。

次にこの枝をルーターを使って、整えていきます。

我が家のルーターは安物なので、結構時間をかけた作業になりました。

早く削り終わりたいとは思うものの、削りすぎては、ナイフとして役に立たなくなってしまいます・・・


目標は、持ち手の部分は握りやすく、ナイフの刃の部分は、一直線で、バターを塗るときやすくうときに、残さずに塗ったりすくったりできることです。


がんばって削っていっています。が、この形では、包丁か、散髪屋さんの髭剃りのようですね・・・。もう少し形を整えていきます。


集中しすぎて、ナイフ部分に段差ができていますが、それっぽくなってきたように思います。難しいのが、オリーブの硬さで、全体的に同じくらい硬いといいのですが、部分によって柔らかく、他の所は硬い、という感じです。

硬いからと思って念入りに削っていると、削れやすくて、どんどん削れてしまう所もあります・・・。

ただ、これ以上すると、取り返しのつかない所が出てきそうなので、ここから形を整えていくことにします。


紙やすりをかけてみました。ツルツルになったのではないのでしょうか。


★仕上げはピーナッツオイルで


さらにこのままでは、水が染み込んでしまうので、ピーナッツオイルを塗っていきます。



ピーナッツオイルは食用にもなるので、安全なうえ、乾性油といって、水分は乾燥するので、べとべとしていない状態で使うことができます。


ピーナッツオイルを塗ってみました。色が付くわけではないので、見た目の変化は大きくありませんが、手触りが滑らかになりました。


SPFで作ったスプーンですが、木目がとってもきれいです!!縁がでこぼこしているので、スープを飲むと、縁からこぼれてしまいそうですが、素材のやさしさが出ていて愛着がわきます。


前回作ったお皿に置いてみました。優しい風合いに仕上がってよかったです。

0 件のコメント:

コメントを投稿